「芸習い」(げいざらい:獅子狂言、獅子を女形とした地歌舞伎) 

    

<芸題>

        伊奈川鉄ケ嶽

     

伊奈川は、ひいきのタニマチに明日の鉄ケ嶽との相撲に負けるよう

頼まれ苦しむ。

夫、伊奈川の様子がおかしいのを察した女房は、夫の本心を確かめ、

自らを犠牲にして、見事鉄ケ嶽を土俵の土へうずめます。

            

           曽我兄弟

     

兄弟で命をかけて親の仇討ちをする物語。伊豆の豪族、伊東祐泰

(祐通)は所領争いが故で一族の工藤祐経に暗殺された。17年後

頼朝がもようした富士野の巻狩りの場で、祐泰の長男、十郎祐成、

二男、五郎時致が父の仇を倒す。

上若連では、仇を取ったあとの喧騒を演じている。兄はその場で

打たれ、その後弟五郎も捕らえられ、後に殺される。

祐泰の妻は幼い兄弟を連れて曽我祐信と再婚したため、二人は

曽我姓を名乗る。

              

          白浪五人男

     

「問われて名のるもおこまがしいが・・・」

    日本駄右衛門以下五人の悪党が勢揃い。

歌舞伎の青砥稿花彩画・稲瀬川勢揃いの場を演じています。

  

              

          佐倉惣五郎

     

下総佐倉の圧政に苦しんだ領民のために印旛郡公津

村の名主「惣五郎」が将軍に直訴を決意します。

最後の別れを・・・と、女房・子供の待つ家へ夜分

に忍んでやってきました。

つかの間の夫婦のやり取りの後、惣五郎は離縁状を

手渡します。しかし女房おさんは、破り捨ててしまい

ます。子供たちの顔を拝んだあと江戸へ向けて旅立

つ惣五郎。様々な思いを胸に夫の旅支度をするおさん

が惣五郎に笠を手渡す場面が見ものです。

歌舞伎の世界では、平成十年、約30年ぶりに国立

劇場で上演されました。上若連でのものは、その三幕

目にあたります。

            

          松の廊下

      ご存知忠臣蔵の刃傷場面。

 

          忠臣蔵三段目

     

歌舞伎の道行旅路の花聟にあたると思われます。

殿中で塩冶判官が刃傷に及んだとき、早野勘平は、たまたま

主の文遣いで城に来た恋仲のおかると合っていました。主君

の供をして登城していながら主君の大事に居合わせなかった

不忠を恥じ、切腹しようとするのをおかるが止めました。時節

を待って詫びを入れるよう進め、おかるの親元を頼ります。

そこへ師直の家来鷺坂伴内が討手を引き連れて追ってきます。

上若連ではこの場面を面白おかしく演じています。

              

          忠臣蔵五段目

     

歌舞伎の五段目山崎街道鉄砲渡しの場、二つ玉の場を

演じています。

京の南の山崎のおかるの実家に落ち着いた勘平。猟を

しながら詫びを入れる機会を伺っていたある日、かつて

の同僚、千崎弥五郎と出会います。石塔建立費の拠出

を条件に、仲間に加えてもらう約束をします。(石塔建立

費は、仇討ち資金集めの名目でした)方や、おか
るの父

与市兵衛は、夫のために身を売る決心をした娘の
契約金

を受け取り帰る途中、定九郎に金を奪われ殺され
ます。

その定九郎を猪と誤って撃った勘平は人を撃って
しまった

とおどろきながらも懐に金が入っていることに気付
き、その

金を奪うと、千崎のところへ急ぐのでした。

              

          忠臣蔵七段目

    

おかるの兄平右衛門は、敵討ちに加えてもらいたいと、

嘆願に上京しています。おかるの様子を見に廓にやって

きました。そこでおかるに出会いますが、身請けされると

聞きます。何かおかしいとおかるにたずねると、由良之助

への密書を盗み見したとのこと。どうせ助からぬ命なら、

兄が殺してそれを功に連判に加わりたいと妹を説得。勘平

の死を聞き生きる望みを失ったおかるが兄に打たれようと

した時、奥で聞いていた由良之助は、兄妹の忠義を認め、

平右衛門に東への供を許しました。

              

 

          徳利勘兵衛

     

勘兵衛は、徳利を下げ、兄佐衛門に最後の別れをしようと、兄

の家までやってきます。

お家断絶より酒びたりの弟を、家の者はこころよく思っておらず、

なかなか兄に会わせてくれません。合えぬまま帰ろうとしたとき、

様子を察した兄佐衛門が奥より出てきます。

いろいろのやり取りの中、弟が四十七士の一人として明日討ち

入りに行くことを知った兄は、一番槍の手柄を・・・と伝家の槍を

授けます。

              

          阿波の鳴戸

  追っ手から逃れるため、夫婦で世を忍んで逃亡生活をしている阿波

十郎兵衛とおゆみ。そこへ、母に預けたはずの娘おつうが偶然巡礼

に訪れます。身の上話を聞いている内に我が娘であることがわかる

おゆみ。しかし、自分たちは追われる身。母だと名乗りたいが名乗

れず、大金を渡し追い返そうとする。つうもこの人が母ではないかと

悟りここに置いてほしいと懇願する。

 
         だんまり

暗闇で相手が見えない状況を想定し、大勢の男女が行き交います。手さぐりですれ違いをしている様子が
うかがえます。
芸習いのフィナーレにふさわしく、華やかな場面です。最後は「六法」を踏んで幕引きとなります

   

 

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