コマクサ(駒草)<ケシ科>



高山帯の砂れき地に希に生える多年草。

日本では特別保護指定植物になっている。

江戸時代末期から御嶽山の高山植物は御神薬として珍重された。

特にコマクサは御嶽五夢草の一つに数えられ、

万能薬として霊験あらたかとされ採取の歴史が

繰り返されその自生はほとんど失われた。

コマクサには麻酔作用があり、中等量で

麻酔作用についで独特のてんかん様痙攣を起こす。

大量で呼吸中枢を刺激し初め興奮させ、のち麻痺させる。

鎮痛作用も大きい。

ケシ科に多くみられる中枢作用は

体に目にはっきりとした変化を及ぼす。

この扱いに熟知した少数の先達は、

まさに神の薬として信者に施したかも知れない。